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家族が胃癌と診断されたけど、自分は大丈夫?

[2019.06.11]

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胃癌の発生主原因としては、ピロリ菌や自己免疫的な問題が大多数を占めるため、遺伝的な要素を過度に心配される必要はそれほどないと考えます。ただし、ご家族の発症理由を詳しく精査しておくことは、ご自分の将来的なリスクを正しく理解するためにとても有益です。

Q.胃癌は遺伝するの?

A.胃癌は遺伝要素はそれほど高くありませんが、ご家族が胃癌を発症した原因がピロリ菌である場合にはご注意を!

胃癌は大腸癌に比べると一般的に遺伝要素はそれほど高くないと言われています。しかしながら、「ない」というわけではありません。例えば、家族性大腸腺腫症を患われている方は5~10%の確率で胃癌を合併するというデータがあり、それは通常の方と比べると3.5倍ほどの高い数値となります。そういった意味では遺伝的要素の関係を完全には否定しきれません。しかし、ご家族が胃癌を発症されたからと言って「自分も高確率に胃癌を発症するか?」という問いに対しては、「それほどではない」とは答えられるでしょう。なぜならば胃癌の発症メカニズムとして、ピロリ菌による原因が最多という事実があります。ピロリ菌の約8割が家族(特に母親)からの経口感染と言われています。そのため、あたかも遺伝が原因のように一見感じられやすいものですが、実際は家族内感染によるものであるため、ご家族の胃癌発症理由がピロリ菌であった場合には、ご自身も一度検査にてピロリ菌の保有の有無をご確認いただければと思います。なお、ピロリ菌は早期に正しく対処できれば比較的簡単に除菌することが可能です。

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胃癌を引き起こす主原因のピロリ菌とは

ピロリ菌は胃粘膜にいる細菌です。正式名称をヘリコバクターピロリと言い、一度胃内部に棲みつくと半永久的に増殖し続け、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などを引き起こす強力な細菌です。その約8割が家族(特に母親)からの経口感染と言われています。諸説ありますが、例えば免疫力が未完成な乳幼児期にピロリ菌感染している家族から口移しで食べ物をもらい受けてうつるケースや、衛生状態の悪い井戸水等を介してピロリ菌が体内に入り込む可能性が指摘されています。ご高齢の方ほどピロリ菌の感染率は比較的高い傾向があると言われています。成人になってから新たにピロリ菌に感染した場合も、その多くは自己免疫力で退治できる程度であり、慢性化しづらいものではありますが、ご家庭内の衛生環境とピロリ菌感染とは密接な関係を持っています。

Q.遺伝性の癌を早期発見するために必要となる検査とは?

A.早期発見のためには内視鏡を用いての直接的な観察が重要です。

まずはご家族内に家族性大腸線種症を患われている方がいるかどうかが最初の判断基準となります。ご家族に家族性大腸線種症の方がいて、なおかつご自分も家族性大腸線種症であると分かった場合には、大腸だけでなく定期的な胃カメラも合わせた詳細な検査を行う必要があると考えられます。

胃癌発見率の向上に有効な「リスク診断」

胃癌の早期発見の前段階として有効な「リスク診断」というものがあります。ご自分が将来的に胃癌リスクが高いタイプなのか低いタイプなのかを明らかにできます。リスクが高いと判断された場合には、定期的な内視鏡検査を加えることが重要となります。リスク診断は人間ドック等でよくみられる検査項目であり、採血によって簡単に行うことができます。血清抗体価でピロリ菌の感染状態を判断し、胃粘膜の萎縮の程度をペプシノゲン法で判断します。バリウムや内視鏡検査に伴う食事制限・下剤の服用といった苦痛もないため、まずはご自分の状況を把握するためにとても有効な検査です。ただし、リスク診断はどの程度将来的に胃癌になりやすいかという判定を行うものですので、現在胃癌にかかっているかどうかという診断はできません。

Q.普段の生活において気をつけることはありますか?

A.5歳未満の幼児とピロリ菌保有者が同居されている場合には、お子さんへの感染リスクが高まります。

胃癌の主原因はピロリ菌感染が長く続くことにあります。慢性の萎縮性胃炎が生じることにより胃粘膜の状態が悪化、それにより胃癌にかかりやすい状態となります。特に免疫力がまだ未熟な5歳未満のお子さんとピロリ菌を保有されているご家族が同居されている場合には、口移しで食事を与えるなどといった行動によりピロリ菌が数珠感染する恐れがあります。ピロリ菌を保有されている方がご家族内にいる場合には、ご家族全員の胃内部の除菌が必要となります。ピロリ菌の有無を調べる検査はさまざまありますので、まずは最寄りの消化器内科やかかりつけ医にご相談ください。

Q.心配や不安がある場合にはどこで相談できますか?

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A.まずは最寄りの消化器内科にご相談いただくことをおすすめします。特に胃癌を引き起こす可能性が高いと言われているピロリ菌の有無については、精度の高い呼気検査などが手軽に受けられます。

癌の発症には生活習慣などさまざまな要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。ご家族内で胃癌になられた方がいるからと言って極度にご自分の身を不安に感じる必要はありませんが、現状を見直す良い機会と捉え、ご自身も詳しい検査をお受けいただくこともまた「予防」といった観点からみればとても前向きで重要なことです。

ご家族のみなさんも今一度の健康見直しを―

ピロリ菌以外にも胃癌発症には喫煙・塩分・糖尿病・野菜や果物の摂取不足などといった生活習慣的な要因が深く関係していることが指摘されています。ご家族内に胃癌を発症された方がいる場合には、普段の食事内容の見直しや生活環境にも今一度留意されることが大切です。ご心配なことがある場合には、まずはお最寄りの消化器内科等にお気軽にご相談ください。

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