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胃カメラの定期検査は何年に1回やるのがよいの?

[2019.09.24]

公的検診では50歳以上の方を対象に2年に1回行われていますが、胃癌リスクが高い方は年に1回の検査を加えることが望ましいです。

Q.定期検査を受ける意義とは?

A.症状が出ない早期の段階での異常発見に努めるためです。
2014年から国を挙げて公的検診には内視鏡検査が加えられました。その背景には飛躍的な内視鏡技術の向上により胃癌の早期発見から死亡率が約半数にまで減少したという、高い数値での医学的根拠があります。しかしながら、胃癌の罹患率は男性では1位、女性では3位といまだ高いことも現実です。中でも最も多い発症要因として挙げられるのはピロリ菌による感染です。胃癌の予防においてはピロリ菌の除菌治療を施すことが有効ではありますが、その他にもタバコや塩分、家族歴なども大きなリスク要因を抱えています。また、萎縮性胃炎がひどい状態のまま放置している方は正常の方と比べると約100倍もリスクが高まるという研究報告もあります。だからこそご自身で定期的に検査を受けることで、症状が出ていない早期の段階で異常に気づくチャンスを作り出すことがとても大事なのです。

Q.特に症状を感じていなくても定期検査は必要ですか?

A.症状がなくても、胃癌リスクの高い方は検査を行うことが有効です。
ピロリ菌感染や萎縮性胃炎を患われている方は、胃癌予防のためにも年に1回の内視鏡検査をお受けいただくことが望ましいです。また、過去に咽頭癌を患われたことがある方は食道癌の再発リスクも非常に高いです。場合によっては半年に1回から複数回の検査を加える必要があると判断される方もいます。癌は症状なく進行する恐ろしいものです。特に咽頭癌は進行すると声を出すことすらできなくなり、生活の質(QOL)に直接的に深刻な影を落とします。担当医師と相談の上、検査するタイミングを綿密に検討することが重要となります。その他、家族内に胃癌を患われた方がいる場合もリスクは高まります。できれば40代のうちから早めに検査機会を設けることをおすすめします。

すでに胃に何かしらの異常や症状を感じている場合

痛みや違和感などといった異常をすでに感じている方は、健康診断等のタイミングを待つことなく、医師と都度相談した上で検査をお受けいただければと思います。特に、胃潰瘍を繰り返す方などは年に数回の検査を必要とする場合もあります。

胃癌の術後・慢性胃炎を患われている方・ピロリ菌の除菌治療後の方

保険診療での検査が可能です。鎮静剤を用いた無痛内視鏡を選択することや、拡大鏡を用いてのより精度の高い検査を受けることも可能です。

Q.胃カメラでわかる病気にはどのようなものがありますか?

A.苦痛の少ない経鼻内視鏡を取り扱う医療機関も増えてきています
非常に細いスコープを鼻から胃内部にかけて通し観察する「経鼻内視鏡」を採用する医療機関もここ数年でかなり増えてきました。検査の際に患者さんが最も「辛い」と感じるのはスコープ挿入時に起きるオエっという強い嘔吐反射です。経鼻内視鏡は経口内視鏡に比べてその苦しい嘔吐反射がほとんど出ないため、比較的楽に検査を受けることができます。受診される医療機関に事前に経鼻内視鏡を取り扱っているかご確認されることも良いでしょう。しかしその一方で、検査精度の高さも私たちが決して軽んじてはならないことです。内視鏡の径の太さには画質や操作性の違いに大きく影響しているものもあります。スコープの太さには検査精度に関わる大事な理由があることもあわせてご理解いただければと思います。

末永く健康な身体を守り続けるために―

ぜひ検査機会を有効にご活用ください

内視鏡で切除できる程度の早期癌であれば、5年生存率は今や95%以上と非常に高い数値を誇ります。しかしながらその一方で、手の施しようがないほどの進行癌となると5年生存率は一転10%以下という限りなく低い数値となってしまいます。癌は自覚症状を感じることはほとんどありません。だからこそいかに早期の段階で発見するチャンスを見いだせるかどうかがとても重要な鍵を握っているのです。早期癌はしっかりと切除できれば根治が十分に見込め、再発もほとんどありません。ご自身の体の現状を正しく知り、未来の自分の姿に思いをはせる良い機会として定期検査の機会を有効にご活用いただければと思います。

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