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大腸内視鏡が苦しいと言われるのはなぜ?

[2018.11.27]

苦しさよりも得られる重要な情報に目を向けて

Q.どうして苦しく感じるの?

A.大きく分けて二つの要因が考えられます。

患者さん側の要因
過去に腹部の手術を受けたり、腹膜炎などで病後に腸管と腹壁の癒着等がある方は腸が真っ直ぐな形になりにくい状態にあります。その結果、カメラが腸内にスムーズに入りにくいことで苦しさを感じやすくなります。その他、腸管が長い方、内臓知覚が過敏な方、便の前処置がうまくできずに腸内に便が溜まってしまっている方なども苦痛を感じやすいです。
検査者側の要因
技術の熟練不足や検査方法の違い、腸内に注入する空気量等が苦しさを招く要因になっていると考えられます。
一般的に、「軸保持短縮法」を採用している場合はカメラ挿入時の苦痛は少ないと言われています。腸管のひだを短縮しながらカメラを進めていく手技で、腸管と腹壁の癒着等がなければ、痛みをほとんど感じることなく検査ができます。

Q.苦しさをやわらげるコツはありますか?

A.検査前日の食事制限を守り、便の前処置をしっかり行うことで苦しさは軽減できます。例えば、食物繊維の多い食品を避け、消化しやすい食事選びをすることはとても有効です。なるべく腸内に便を残さないことで、スムーズなカメラの挿入が可能となり、患者さん側の苦痛も緩和されやすくなります。
また、当日に下剤を服用する際も軽く体を動かすようにするなど、腸の動きを活発にすることで便を排出しやすくします。過度に心配することなく、リラックスして検査にお越しいただくことも大切です。

Q.検査はどれくらいの時間で行いますか?

A.腸の状態など個人差はありますが、カメラの挿入は通常、数分から10分程度です。カメラの戻りや切除が必要となる場合を含めても、全体で15分から30分程度で終了いたします。

Q.オーダーメイド内視鏡検査とはどのようなものですか?

A.患者さん側の不安や要望をしっかりお聞きした上で、一人一人のご希望にマッチした検査方法を選択する内視鏡検査のことをいいます。状況に応じて鎮静剤・鎮痛剤を使用した、より苦痛の少ない検査を行う無痛麻酔内視鏡検査も可能です。一方で、ご自身の腸内をご覧になりながら検査を行いたいという方には覚醒した状態での覚醒内視鏡検査も可能です。その他、胃と大腸の検査を同時に行いたい方には同日胃大腸内視鏡検査、ポリープが見つかればその日のうちに切除したい方には同日日帰り治療内視鏡、2L下剤が苦手な方には2L下剤内服なしの下剤注入大腸内視鏡検査があります。ご自身の身体の状態に合わせて、選択いただくことで、より楽に精度の高い検査が可能となります。

早期に病変を見つけ、正確な鑑別診断を行うこと

再発のない適切な治療を行うことまでが大腸内視鏡検査の目指すべきゴール

何かと苦痛だけがクローズアップされやすい大腸内視鏡検査ですが、一点、患者さんには決して忘れていただきたくないことがあります。それは検査内容の精度です。苦痛の少ない方法や手段ばかりに目を奪われることなく、肝心な検査の「目的」を大切に考えていただければと思います。早期に病変を見つけ、正確な鑑別診断を行い、再発のない適切な治療を行うことまでが大腸内視鏡検査の意義です。ぜひ内視鏡検査の「精度」にこだわっていただきたいと思います。

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