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便が細い。これ大丈夫?

[2018.12.10]

特に下痢などの不調がないのに、細い便が続く場合には要注意!

Q.便が細いという基準はどんなものですか?

A.「細い」ということに関しての明確な基準はありませんが、ご本人の感覚としていつもと比べて、明らかに細い便の状態が続いていると感じられた際には一度受診されたほうが良いと考えます。例えば「通常の便の太さが親指程度の太さだったものが、ここ最近ずっと小指の太さ程度にまで細くなり、その状態が長く続いている」と言った場合には明らかな変化です。通常の便の様子もご本人しかわからないことですので、普段からの観察が大切です。特に下痢などの不調があるわけでもないのに細い便が続いているという状態は要注意です。

Q.便が細くなるメカニズムとはどんなものですか?

A.便が細くなるという症状は、大腸癌のひとつのサインと考えられています。大腸癌は直腸・S状結腸といった、いわゆるお尻の出口に近い部分にできやすく、そのため腸の道筋が狭くなってしまうことで細い便しか出なくなってしまうという特徴があります。そのため「今まで普通だったのにここ最近急に便が細い状態が続いている」という方は注意が必要です。
その他、精神的ストレスなどで頻回に排便される方などは年中細い便が出やすい傾向があります。さらに、切れ痔などで肛門自体が狭くなっている場合には、出てくる便も細くなることがあります。

Q.便が細いことで感じる症状はありますか?

A.「昨日は便が細かったが、今日は通常だった」という場合には特に心配する必要はありませんが、毎回細い状態が続いているという場合には、何らかの疾患の可能性が考えられます。便が出にくいことでお腹が張る、残便感がある、血便が出るといった項目が複数当てはまるほど病気の可能性が高まりますので、早急な受診が必要です。

Q.どのような病気が考えられますか?

A.最も怖い病としては大腸癌です。大腸癌は命に関わる重大な病です。早期発見・早期治療がなによりも鉄則となる病です。
その他、細い便に関する疾患として頻度が高いものとしては

過敏性腸症候群

ストレスなどに起因して頻回に排便してしまうもの

胃腸炎

下痢が続くことでゆるい便になってしまうもの

慢性裂肛

切れ痔の状態が慢性的に続き、肛門が狭くなることで便が細くなるもの などがあります。

Q.どのような検査や治療が必要となりますか?

A.大腸内視鏡検査を用いることで腸内を直接的に精密に確認することが必要となります。診断が確定した後、それぞれの疾患に応じての適切な治療を行います。大腸癌の場合は専門的な治療が必要となります。

Q.予防にはどのようなことに気をつければいいですか?

A.予防の観点としては、野菜をよく摂り、適度な運動をすることが大切です。健康的な生活を送ることは、大腸癌や痔の予防にも繋がります。また、慢性裂肛(切れ痔)の場合は下痢や便秘を避けることが必要です。過敏性腸症候群に関してはストレスを避け、気分転換を図るなどの工夫も大切です。

便は身体からの便り―変化に敏感に気づける感覚を大切に

便が細くなるという経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか?そのくらい「便が細くなる」ということはごくありふれた症状のひとつです。「便は身体からの便り」と言われる言葉があるように、排便の際には流す前に一度、ご自分の便の状態を振り返って確認される習慣をつけることをおすすめします。変化に敏感に気づける感覚は、日々の積み重ねから生まれます。

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