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ピロリ菌がいると言われたらどうする?

[2018.11.27]

一度棲みつくと増殖し、半永久的に存在するピロリ菌
正しく対処できれば比較的簡単に除菌が可能です

Q.「ピロリ菌」ってそもそも何?

A.正式名称をヘリコバクターピロリと言い、顕微鏡で見ると螺旋状の形をしています。
私たちの胃の中は、強い滅菌作用のある酸性です。通常の菌はとても生息できないほどの環境下にありながら、このピロリ菌だけはアンモニアを産生するという最大の特徴を持つことで、自身の周りをバリアのように中和しながら胃の中で長く生き続けることできます。一度棲みつくと増殖し、半永久的に存在する菌です。胃癌の危険因子としても有名です。

Q.どのような原因が考えられますか?

A.一般的には経口感染と言われています。諸説ありますが、例えば免疫力が未完成である乳幼児期に、既にピロリ菌に感染している親から口移しで食べ物をもらい受けるなどして感染してしまうケースや、衛生状態の悪い井戸水等を介してピロリ菌が体内に入ってしまう可能性が考えられています。高齢の方ほどピロリ菌の感染率は比較的高いと言われています。

Q.ピロリ菌に感染するとどのような症状がありますか?

A.約1割程度の方に胃の不快感などの不調が生じることがありますが、ほとんどの場合はご自身ではっきりとした症状を感じることはありません。また大人になってからピロリ菌に感染しても、自己免疫力で対処できるため、一時的な感染となることが多いと言われています。

Q.ピロリ菌が引き起こす可能性のある病とは?

A.ピロリ菌が長期にわたって潜伏することで、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃のリンパ腫といった病を引き起こす可能性があります。特に慢性胃炎は胃癌を発症するケースもあるので要注意です。それぞれ進行すると胃の痛みや食欲不振、嘔吐や吐血などといった各症状が表れてきます。

Q.どのような治療や検査が必要となりますか?

A.ピロリ菌検査をすることで、胃癌や胃潰瘍、十二指腸潰瘍といった大きな病のリスクを評価し、早期発見することにあります。検査には内視鏡をはじめ、吐いた息の成分からピロリ菌の有無を判定する尿素呼気試験、尿検査や便検査、採血などといった方法を用いることが一般的です。ただし、内視鏡検査を用いた上でピロリ菌の影響による胃炎などが認められた場合に限り、保険内診療で詳細なピロリ菌検査を行うことが可能です。内視鏡で胃内部の状態を診ると、胃の色調や粘膜の模様、むくみなどからピロリ菌のいる可能性がわかります。ピロリ菌がいると診断された場合は、ピロリ菌を除菌する治療が必要となります。抗生剤と胃薬を3種類組み合わせたものを1週間程度続けて服用することで比較的容易に除菌ができます。

Q.予防する方法はありますか?

A.経口感染のため、ピロリ菌を保有している人が周りにいなければ感染リスクは低くなります。特に乳幼児期に感染する可能性が高いため、ご家族内にピロリ菌感染者がいないかどうかを確認することが有効です。

ピロリ菌の除菌を必要とする場合は内視鏡を用いた精密な診断を受けてから

単にピロリ菌に感染している状態だけだと、特に目立った症状は生じません。しかしながら、慢性的な胃炎に悩まされたり、胃の不快感が繰り返されるときにはピロリ菌の影響による胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった大きな病の可能性や胃癌リスクの高まりが疑われます。ピロリ菌の有無だけでなく、胃内部が影響を受けて現在どうなっているのかを慎重に見極めるためにも胃内視鏡検査は必須です。適切な治療を行い、本来の健全な胃の状態を取り戻すためにも早期発見・早期治療が大切です。

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